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スマート物流サービス
高度なデータ連携による
サステナブルな物流の実現
サプライチェーンの川上から川下までのデータを蓄積・解析・共有するための「物流・商流データ基盤」の構築と、省力化・自動化を図りつつこれまで存在していなかったデータを自動収集するための技術開発を実施し、物流・商流分野のデータを活用した新しい産業や付加価値の創出、高い物流品質の維持と荷主・消費者が多様な選択肢を確保できる物流・商流環境の実現を目指す。
PROGRAM DIRECTOR
田中 従雅
ヤマト運輸株式会社
執行役員
- PROFILE
- 1981年ヤマトシステム株式会社入社
2011年ヤマトホールディングス株式会社シニアマネージャー(IT戦略担当)兼ヤマト運輸株式会社情報システム部長
2016年ヤマトホールディングス株式会社執行役員
2019年ヤマトホールディングス株式会社常務執行役員
2020年ヤマトホールディングス株式会社執行役員
2021年ヤマト運輸株式会社執行役員
2022年現職
研究開発テーマ
- 1物流・商流データ基盤に関する技術
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2020年度末までにサプライチェーンを川上から川下まで業界ごとに統合した(垂直的)物流・商流データ基盤のプロトタイプ開発と拡大、高度化、並びにデータ基盤構築に関する技術開発を行う。2022年度末までに物流機能を複数業界間で統合した(水平的)物流・商流データ基盤の開発、要素基礎技術の研究開発成果を取り入れた物流・商流データ基盤の高度化、構築したデータ基盤を活用した業務改善の促進等を実施。これと並行し、個社ごとに蓄積されている物流・商流データを各社が共通して利用することを目的として、プロセス、メッセージ、コード等を含む物流情報標準ガイドライン等の策定を行う。
- 2省力化・自動化に資する自動データ収集技術
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現在取得されていない情報を自動的に収集し物流・商流データ基盤に取り込むことを目的として、トレーサビリティや積載率把握、積み付け状況の把握等の様々な情報を確保する自動データ収集技術の開発を行う。2020年度末までに研究開発テーマの絞り込みと研究開発を実施し、2022年度末までに実証実験(研究開発項目(A)の物流・商流データ基盤と連携)を行う。
スマート物流サービス研究開発概要
5年間の成果
1. 物流・商流データ基盤に関する技術
- 要素基礎技術の開発
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業種・業態や各企業の壁を越えて物流・商流に関するデータを安全・安心かつ効率的に提供・利用するために必要な技術を開発した。
- 1個別管理データ抽出・変換技術の開発
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レイアウトやコード体系が異なる利用者間でのデータ連携作業効率向上のため、データの独自形式から標準形式への変換作業を簡素化(作業工数88%削減)する技術を開発した。
- 2アクセス権限コントロール技術の開発
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データ提供者が安心・容易にデータを提供できるように、データ提供者自身がデータの公開範囲等のアクセスルールを GUIで簡易(作業工数70%削減)に設定できる技術を開発した。
- 3非改ざん性担保技術の開発
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データ利用者が安心してデータを利用できるように、データの改ざん防止に加え、データ利用者が改ざん検知・追跡や改ざんされたデータを短時間(作業工数78%削減)で復旧できる技術を開発した。
- 4他プラットフォーム連携技術
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プラットフォーム間で安全・効率的にデータ連携ができるように、データ連携時に利用者環境に与える影響を抑制(87%削減)するとともに、データ連携のためのアプリの開発工数を削減(75%削減)する技術を開発した。
- 5業種等のデータ基盤の開発
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課題意識や社会実装の確度が高い4業種と1地域を対象に(1)で開発した要素基礎技術を導入した安全・安心で利便性の高い物流・商流データ基盤を開発した。
- 1地域物流データ基盤の開発
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物流危機の意識が高い地域を念頭に、業種・業態の壁を越えて、共同で効率的に輸送配送を行うためのデータ基盤を開発し、岐阜地域での実証試験でトラック積載率の55ポイント向上やドライバー拘束時間の18%削減等の成果が確認できた。
岐阜地域での共同輸配送
- 2医療機器データ基盤の開発
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「安全性確保」と「安定供給」が常に求められる医療機器の共同倉庫による集約や、RFIDタグを活用した検品作業の効率化や可視化が可能となるデータ基盤を開発し、実証試験で輸配送コストの10~15%削減や検品作業時間の70~95%短縮等の成果が確認できた。
RFIDタグによる検品作業
- 3リテール(日用消費財、ドラッグストア・コンビニ等)データ基盤の開発
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多頻度・小ロット・短リードタイムで非効率な物流が行われている日用消費財と各社が独自の物流網を構築し、各社ごとに物流が行われているコンビニで、共同での輸配送や、画一された納品伝票データのやり取りが可能となるデータ基盤を開発し、実証試験でトラック台数・配送距離の削減やトラック積載率の向上等の成果が確認できた。
コンビニ共同輸配送
- 4医療材料データ基盤の開発
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在庫スペースが不足し、非効率な物流が行われている医療機関で、共同院外倉庫を活用した医療材料の共同輸配送や、RFID等新技術を活用した作業の効率化が可能となるデータ基盤を開発し、実証試験で輸配送頻度の30%削減や作業時間の60%削減等の成果が確認できた。
共同院外倉庫
- 5アパレルデータ基盤の開発
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海外の生産比率が高いアパレルを海外の製造拠点から国内の物流拠点まで共同で効率的に輸送するためのデータ基盤を開発し、上海から海上コンテナで輸送する実証試験で積載率20%向上や作業工数15%削減等の成果が確認できた。
海上コンテナ
- 物流情報標準ガイドラインの策定
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国交省、経産省や関係業界の理解と協力のもとに「物流情報標準ガイドライン」を定め、運送計画情報や出荷情報等の物流データの規格化を行うと同時に、本ガイドラインの普及促進を図った。
2.省力化・自動化に資する自動データ収集技術
- 「荷物サイズ」「荷姿種別」「上積み可否判定」に資する映像処理AIの開発
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「最適な物流を行うために必要な荷物情報(サイズ、荷姿や種別等)を市販のスマートフォンで簡単・正確に取得できる技術を開発した。定型荷姿サイズ計測の精度は98%、不定形荷姿サイズ計測の精度は93%、荷姿判別の精度は91%以上を達成した。
開発した映像処理AI技術
- 荷物データを自動収集できる荷降ろし技術の開発
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画像認識技術を活用して、自動荷降ろしと同時に荷物情報(3辺サイズ、重量、タグ情報、場所、時間、画像)を自動収集できる技術を開発した。認識率99.9%、認識速度2.8秒、計測精度±10mm以内を達成した。
開発した荷降ろし技術
スマート物流サービス
成果報告動画
スクロールできます
2023.03.17(金) 13:00
〜オンライン開催
7回目の開催となる
今年度のシンポジウムでは、
SIP第2期5年間の研究成果を
報告いたします。
また、令和5年度から開始する
SIP第3期と、
PRISMの後継プログラム
BRIDGEについても
最新情報を発表いたします。