課題テーマ ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築

プログラムディレクター

プロフィール写真:西村 訓弘

西村 訓弘

三重大学大学院地域イノベーション学研究科 教授
三重大学 特命副学長(戦略企画担当)
宇都宮大学学術院 教授
宇都宮大学 特命副学長

経歴

1965年、三重県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業後、企業の研究員となり博士号取得(農学)。
渡米し、米国企業の研究員、ベンチャー企業経営を経て2006年、三重大学医学系研究科教授に就任し、地域イノベーション学研究科の創設に関わる。
自治体、企業、高校など大学の枠を越えて地域イノベーション活動を展開中。
2023年よりSIP第3期プログラムディレクター
主な著書に『社長100人博士化計画』(月兎舎)。

経歴

1965年、三重県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業後、企業の研究員となり博士号取得(農学)。
渡米し、米国企業の研究員、ベンチャー企業経営を経て2006年、三重大学医学系研究科教授に就任し、地域イノベーション学研究科の創設に関わる。
自治体、企業、高校など大学の枠を越えて地域イノベーション活動を展開中。
2023年よりSIP第3期プログラムディレクター
主な著書に『社長100人博士化計画』(月兎舎)。

課題について

目指す社会の姿:一人ひとりが自らの個性を発揮しながら、わくわくしている社会

日本は高度経済成長を経て豊かな社会を築きましたが、それから約30年が経ち、今はその豊かな社会を一人ひとりが個性を発揮して活用する「使い倒す時代」に入っています。その時代への切り替えは十分に進んでいませんでしたが、コロナ禍を経て人々の働き方や学び方、技術の使い方に対する先入観がなくなり、考え方が変わり始めました。私たちはこの変化を、社会を大きく転換する好機と捉えています。
これからの社会は人口が減っていくため、一人にかけられる力、そして一人に期待される力が今までよりも多くなります。そのような状況の中で、一人ひとりが自分の個性を活かして、わくわくしている。そのような社会の実現を私たちは目指しています。

課題テーマ「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築」について語る西村 訓弘さん

私たちのミッション

私たちのミッションは、Society 5.0の時代を生きる人々に必要な学びと他者との協働の場(プラットフォーム)を創り、多様な幸せ(well-being)が実現される社会を構築することです。

課題テーマ「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築」について語る西村 訓弘さん

キーワード:新たな学びと働き方のデザイン

私たちは、ポストコロナ時代にふさわしい新しい学びと働き方をデザインする取り組みを進めています。これまでの教育は、教室で先生が一方的に教える形が主流でしたが、明治時代から続くこのスタイルを見直し、デジタル技術を活用した新たな教育の形を模索しています。
例えば、京都大学の緒方先生たちが進めている研究では、子どもたちがこれまで受けてきた教育をデジタル情報として記録し、それをもとに先生と対話しながら、自分の将来像を描く支援を行っています。このプロセスでは従来の教室での学びに加え、オンラインで世界中とつながり、多様な情報や知識を得ることが可能になります。リアルとバーチャルを組み合わせた学びの場で、自分自身を主体的に作り上げる教育を目指しています。
また、これまで個人が持つ力を発揮できなかった人材が社会の中で活躍できる場を作ることも大切だと考えています。例えば、博士人材には専門分野にとどまらない社会のさまざまな課題を解決してもらったり、女性にはさらに社会のいろいろな場所に進出してもらったり、障害を持つ方々が全く垣根関係なく社会で活躍したりすることを目指しています。こうした「学び」と「働く」を結びつける取り組みを、私たちは進めていきます。

本課題の直近の成果・ユースケース

産業技術総合研究所の依田先生は、重度の障害を持つ方でも使えるテクノロジーの開発に取り組んでいます。この研究では、まぶたや指先、足のわずかな動きを画像解析で捉え、それをオンオフのスイッチに変換するジェスチャインタフェースという技術を実現しています。この仕組みにより、身体が不自由な方でも動かせる部分を活用して複数のスイッチを操作できるようになります。例えば、AKB48とのコラボ動画にあるように、バーチャル空間でサッカーゲームを楽しむことも可能です。依田先生のアプローチは、先端技術を活用しつつも、実用性を重視したもので、多くの障害者の方に新たな可能性を提供しています。

読者へのメッセージ

私は今の時代が、一人ひとりが自分の個性を活かし、日本にいながら世界でもオンリーワンとして活躍できる本当に面白い時代だと思っています。そのためには自分を鍛え、成長することも必要ですが、それが実現できればより面白く、活躍できる未来が広がるでしょう。私たちのSIPで作る社会がそのきっかけとなり、共に素晴らしい未来社会を築ければと願っています。

記事作成時期2025年3月3日
(記事の内容は作成時時点のものです)

内閣府の
科学技術・イノベーション
に関する取り組み

科学技術イノベーションこそが経済再生と持続的成長の原動力です。科学技術イノベーション政策を強力に推進し、日本を「世界で最もイノベーションに適した国」としていくことが、今、必要とされています。激動する世界情勢や環境変化のなか、グローバル課題への貢献と国内の構造改⾰という両軸を、どのような政策で調和させることができるのか。日本が目指すより良い未来社会「Society 5.0」の実現に向けた新たなイノベーションへの発展に取り組んでいます。